死後に選べる3つの選択。あなたならどれを選ぶのか?漫画「スカイハイ」を読む
スカイハイって、どんな漫画?
不慮の事故や殺されて人が辿り着く門「恨みの門」にやってきた人物を中心にストーリーが展開していきます。
「恨みの門」にやってきた人には3つの行き先を選ぶことができます。
- 死を受け入れ天国へと旅立つ
- 死を受け入れず霊となって現世を彷徨う
- 現世の人間をひとり呪い殺す
もちろん人間を呪い殺すことにはリスクがあり、地獄に落ちてしまいます。
地獄に落ちると、再生のない永遠に続く苦痛を受けることになります。
12日間という期限の中で3つのうちどれを選択するかを決めなくてはいけません。
読み切り形式のアラカルトストーリーになっていて、各ストーリーの主人公である恨みの門に来た人物と、門番であるイズコとの関わりも魅力的です。
漫画の中では、「恨みの門」の門番は、亡くなった人物が決める3つの選択に関わることが禁じられているようなのですが、イズコは度々、優しい対応をしています。
見所
亡くなった人物が3つのうちのどの選択をするのか?ここが一番の見所です。
生とは何なのか?死とは何なのか?いろいろと考えてしまいます。ストーリーに物凄い力がある漫画です。
そして注目するのは、地獄に落ちるというリスクを背負ってまで、呪い殺すという選択をする人物の心がどんなものなのか?
もし自分が同じ状況出会ったならばどうだろうか?など考えながら読んでしまいます。
スカイハイ1巻の第1話が、かなり人間の腹黒さが際立ち、インパクトのある話になっているので、こういう漫画なんだなと、この漫画の紹介として最高のツカミになっています。
決めゼリフ
3つの選択からひとつを選んだ後に、門番のイズコが言う決めゼリフ「おいきなさい」というセリフが秀逸です。
- 天国を選んだら 「お生きなさい」
- 現世に残るなら 「お行きなさい」
- 地獄行きならば 「お逝きなさい」
なかなか上手いこと言ってます。この漫画のキャッチコピーとなっている言葉です。このセリフが結構ハマっていて良いです。
シリーズ
スカイハイはシリーズ化されていて、コミックスのタイトルは
- スカイハイ
- スカイハイ・カルマ
- スカイハイ新章
- スカイハイ4
というシリーズに分かれています。大筋の話は同じですので、単純に続編的なイメージで読めます。
個人的には「スカイハイ新章」が優しさと救いがあり、良い話が多いので、好きですね。
作者の思い
漫画自体面白いのですが、私、個人的には、スカイハイ新章、巻末の作者のメッセージに一番興味を抱きました。
内容はザックリ説明すると、こうです。
ある事件の被害者があまりにも浮かばれない、そこで『怒り』を込めて『呪い殺す』という漫画を描いたんだと。
その事件も気になりましたし、作者の高橋ツトム氏は、この漫画を描く動機が『怒り』であることにも、正直驚きました。
…確かに、本当に力のある作品です。