監督目線のニュータイプ・サッカー漫画「ジャイアントキリング」を読む
かつて日本代表でゲームメイクまでしていたが、怪我のため若くして引退した達海
その達海がかつて所属していたE.T.U.(イースト・トーキョー・ユナイテッド)は、達海が海外へ移籍したのを境に、1部残留争いを強いられる弱小チームになりさがる。
その弱小E.T.U.に監督として帰ってきた達海は、その斬新な手腕でのチーム改革で、ベテランをはじめとする、中心メンバーに敵視され、さらにコアなサポーターからは、チームの良い時期の突然の海外移籍を、裏切りとして見られており、歓迎されず。
この逆境を跳ね返しチームを強くできるのか?
サッカー漫画には珍しい、監督目線で描かれる作品です。
主人公は監督なんで、もちろん監督目線の漫画なんですが、読んだ印象としては、「E.T.U.」というチーム全体が、達海にひっぱられながら変わっていく成長ストーリーといったところ。
面白いところが選手・監督だけではなく、チームのフロントや広報、サポーターまで網羅して描かれている点ですね。
「チームに関わる人間の意見を尊重し、良いところはサポーターの意見でもフロントの意見でも、採用し、チーム一丸となってチームを強くしていく」
これが達海の理想のチームのあり方
内容は実に硬派な作りで、純粋にサッカー好きが楽しめる内容になっています。
試合の描写もテンポが良く、「あ、あ、あーっ!」って突然ゴールが決まったりする感じは、本当にサッカーを見てるようです。
ストーリーも重厚で、個人を深く掘り下げていき、ベテラン選手の葛藤が描かれたり
サポーターのリーダーが、チームの成績が低迷している中でも変わらず応援し続ける想いが深く描かれたり
裏切り者と罵られながらも、達海が突然の海外移籍を決めて旅立った訳など
本当にバリエーション豊かに描かれています。
少しづつチームがひとつになり、しっかりとタイトルを意識し、新しい戦いが始まる
[最新35巻が今そんなところです]
一戦一戦相手をどう攻略していくのかを考えて、克服していくスタイルに
同じくサッカー漫画の「Viva! Calcio(ビバ・カルチョ)」に近い感じを受けました。
サッカー漫画の新たな金字塔となった、この「ジャイアントキリング」オススメです。
最新巻をチェック
GIANT KILLING(37) (モーニングコミックス)
- 作者: ツジトモ,綱本将也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
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