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青春、情熱、悲しみ、笑い、恋がたくさん詰まった「四月は君の嘘」は間違いなき傑作漫画…を読む

「4月は君の嘘」という作品

面白いという噂は聞き及んでいたのですが、なかなか読む機会に恵まれずにいたこの漫画。

ついに読みました。しかも完結していたなんて…良きタイミングでの一気読みができました。

まず感想というか、勘違いしていたことがあって… 

四月は君の嘘(1) (月刊少年マガジンコミックス)

四月は君の嘘(1) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 

↑この辺りの表紙を見たことがあり、『音楽もの漫画』ということまでは知っていたのですが、最初の印象として「絵が綺麗で好き&女の子すごい可愛いな」というイメージが先入観としてあり、この女の子の性格がものすごく破天荒だという事に、まず勝手に度肝を抜かれました。(もっと清楚な女の子のお話なんだと思っていた…クラシック音楽漫画ですし…)

 

最初に結論から言いますが、間違いなく傑作です。

私36歳になりましたが、結構な割合で感情を揺さぶられました。若い世代、特に中学生とかが読むと、ドンピシャリで、友人の事で泣いたり笑ったり、複雑な感情にきっと共感が持てるのではないでしょうか?

 

漫画のあらすじ

かつて指導者であった母から厳しい指導を受け、正確無比な演奏で数々のピアノコンクールで優勝し、「ヒューマンメトロノーム」とも揶揄された神童有馬公生は、母の死をきっかけに、ピアノの音が聞こえなくなり、コンクールからも遠ざかってしまう。


それから3年後の4月。14歳になった公生は幼なじみの澤部椿を通じ、満開の桜の下で同い年のヴァイオリニスト・宮園かをりと知り合う。ヴァイオリンコンクールでかをりの圧倒的かつ個性的な演奏を聞き、母の死以来、モノトーンに見えていた公生の世界がカラフルに色付き始める。


かをりは、好意を寄せる渡亮太との仲を椿に取り持ってもらい、渡と椿の幼なじみのである公生とも行動を共にするようになる。公生はかをりに好意を抱くようになるが、親友である渡に気を遣って想いを伝えない。椿は公生のかをりへの恋心に気付き、また自身に芽生えた公生への恋心にも気付き苦悩する。

 

かをりは、公生のことを友人Aと呼び、ぞんざいに扱いつつも、自分の伴奏を命じるなど、公生を再び音楽の世界に連れ戻そうとする。また、かつて公生の演奏に衝撃を受けピアニストを目指すようになったライバルの相座武士や井川絵見にも背中を押され、公生は再び音楽の道に戻っていく。

wikiより引用

 

このあらすじを読んでみると、かなり恋愛な部分が物語の重きを占めていますね。

クラシック音楽をメインとした音楽漫画ではありますが、かなり「ラブストーリー」要素が満載です。むしろラブストーリーメインな感じもあります。

また、人としての成長というテーマも大きく「ヒューマンドラマ」な側面が非常によくできており、この要素がかなり物語の核となっていて、音楽の部分に強く結びついています。

 

どんな音なのかを想像するのが楽しい

主人公の公生が音楽の道に戻っていくきっかけとなるコンサート。この漫画でもキーポイントとなっている、宮園かをり曰く『演奏家として、この瞬間のために生きている』という瞬間(演奏後のお客さんに、忘れられないものを届けられた)に至るまでの演奏シーン。

どんな演奏をしていたのかな?想像することも、また楽しさのひとつではないでしょうか?

要所要所で重要な演奏シーンがありますが、非常に手に汗にぎるというか、普通に演奏者に感情移入してしまうほど、よく描かれています。

 

個人的には映画「オーケストラ」の最後の演奏のシーンが頭に思い浮かびました。

こんな感じなんじゃないかな?って具合ですね。

(この映画も非常に面白いです。特に最後の演奏シーンはかなり印象的で、映画を見た人の心に何かを残していきます。ヴァイオリニストが美人で演奏がすごくカッコイイです。)

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四月は君の嘘の見どころ

画力の高さ

正直、私この漫画の絵、好きな絵なんです。やはり、画力が高いと読みやすいです。あと、2回目言いますが、かをりさん可愛いですしw

テンポの良さ

これは物語自体のテンポということで、ストーリーに中だるみが一切なく、逆にもっと長く読みたいと思わせてくれる、絶妙なテンポで物語が展開していきます。

11巻完結ですが、もっと長く読んでいたいというのが、読後の感想ではないでしょうか?無駄が一切なくて、すっきりとした仕上がりになっています。だけど、ボリュームはたっぷりという印象です。

 

物語への引き込み方

物語が進んでいてスッとシリアスに切り変わったりと、ページで空気が全く違う…漫画なのでモノトーンなのですが、色味まで違う気すらしてきます。

否応無く、物語に引き込まれてしまいます。

そしてまた、フッと通常のテンションに戻ったりと、まるでジェットコースターかのような切り変わり、これは作品の大きな魅力ではないでしょうか?

おまけ要素(youtube)

おまけ要素として、クラシック音楽と出会えます。

コミックスのお話の間に、劇中の曲の簡単な解説とyoutube動画への検索ワードが書かれています。

例えばこんな感じです。これは面白い試みですね。実際どんな曲を弾いていたのかが、わかります。

 

全体の統一感(勘の良い人・途中まで読んだ人にはネタバレあり…)

とはいえ、物語の全体の雰囲気はしっかりと統一されており、日常はコミカルで、演奏シーンは情熱的で、恋の部分はしっかり青春で、だけど、どこか『もの悲しげなイメージ』がずっと付きまとっているように感じました。

結果それは最終巻でわかりましたが……

 

四月は君の嘘の「嘘」 

読み進めていくにつれ、この漫画のタイトルだけが、なんかしっくりこないなぁ、とずっともやもやな感じで思っていましたが、完結してやっと11巻で伏線回収というか、タイトル「四月は君の嘘」について全て解決?すっきりしました。そういうことだったんだね…ということがわかります。

これは実際に読んでいただければと思います。

最終話で全てわかりますが、涙なしには読むことができません。

ふとした時に、思い出すように最終巻だけ読んでしまいます。

するするっと紐がほどけていくように物語が繋がっていく、みたいな感覚で走馬灯のように、今までのエピソードが思い出されます。

主人公たちにとって、一番良い終わり方ではなかったでしょうが、本当に素敵で、綺麗に幕が下りていきます。

 

まとめ

コミカルであり、シリアスであり、情熱的であり、冷酷でもあり、愛に溢れていて、どこかもの悲しい。真逆の印象がうまく高いレベルでマッチしていて、それでいて統一感まで感じられる、すごい漫画だと思いました。

こういう全てが素晴らしいと思えた漫画は初めてな気がします。最終巻に至っては、36歳のおっさんでさえ、号泣でした。

自信をもって他人に薦められる、良い作品に出会えました。

 

四月は君の嘘(1) (月刊少年マガジンコミックス)

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